川崎というと遅攻が得意なイメージがあるが、このように速攻も素晴らしい。というより、速攻においても遅攻においても、選手の攻めの動きには同じものが求められているのだ。

 この逆転ゴールのシーンにおいても、脇坂がボールを持つと、その両サイドに選手が走る。つまり、ボールホルダーにボールの出しどころをチームメイトが複数用意する。そして、三笘は相手のディフェンダー2人の間に位置しておとりとなり、その動きを封じる。もし、相手ディフェンダーのどちらかが焦れて前に動けば、脇坂はボールをそのタイミングで出せばいいのだ。その瞬間、川崎と神戸の人数は2対1、あるいは、3対1になる。攻撃におけるルールが明確になっているからこそ、迷うことなく全員が動けるのだ。

 三苫は、この試合前までの段階で8ゴールを挙げており、J1の日本人得点王。守備者にとって、その存在感の大きさは説明するまでもないだろう。

※その2はこちら

 

PHOTO GALLERY 逆転勝ちした川崎イレブンの写真(1)はこちら!
  1. 1
  2. 2