■サッカーボールの5つの鉄則
ルール上にボールに関する規定が現れるのが1882年。以後約140年間、基本的に、サッカーボールは大きさも重さもほとんど変わっていない。外殻の素材は天然皮革から人工皮革に変わり、糸を使っての「手縫い」から「貼り合わせ」になってボールは真球に近づき、正しくキックすればまっすぐに飛ぶようになったが、1996年に微細な手直しはあったものの、サッカーボールの規格自体はほとんど変わっていないのである。
現在のルール(2020/21版)第2条に示されているボールの規格は以下の5つである。
1 球形
2 適切な材質でできている
3 外周は、68cm(27インチ)以上、70cm(28インチ)以下
4 重さは、試合開始時に410g(14オンス)以上、450g(16オンス)以下
5 空気圧は、海面の高さの気圧で0.6~1.1気圧(600~1100g/平方センチメートル:8.5~15.6ポンド/平方インチ)
外殻が人工皮革化で雨でも水を吸って重くなるようなことはなくなって、重さに関する第4項の「試合開始時に」という言葉はあまり意味がなくなっている。もちろん、人工皮革のボールは天然皮革と違って無様に伸びることもないから、どれだけけられても大きさも変わらない。問題は、大きな幅のある「空気圧」だ。