■神戸は奮闘したが…
しかし、長くは続かなかった。ハイラインの裏を突き合う速い試合展開に加えて、蒸し暑く、しかも少し体重をかけると簡単にスリップしてしまうノエビアスタジアムのピッチは両チームの選手達を消耗させ、個でもコンビネーションでも勝るマリノスが得点を重ねることになった。
1-3にされた神戸は62分、4人を一気に交代した。西、酒井、サンペールが異なる3ヶ所でゲームをコントロールするようになって劇的に良くなると、90分に藤本、91分には古橋が立て続けにゴールを奪って引き分けた。
神戸にとっては良い引き分け方だったが、試合終了のホイッスルが鳴ると、小川は走り尽くした疲労よりも悔しさを見せた。あのメッセージ通り、93分に自分のゴールで勝利するビッグチャンスがあったからだ。決まる形だったが、ボールが朴に当たってしまった。
せっかくなら予想外のハッピーエンドを見たかったが気もするが、それは望みすぎか。
小川が憧れの配色のユニフォームでゴールを決め、神戸に勝利をもたらす機会は、まだ2試合ある。