ハーフタイム、スクリーンに永島昭浩氏が登場し、スペシャルメッセージが流れた。ヴィッセル神戸の25周年記念を祝うものだ。次は誰が出てくるのだろう、と眺めていると、なんとOBではなかった。
「この縦縞の白黒のユニフォームに憧れて~」
「自分のゴールで勝利して、より多くのタイトルを~」
言っているのは、小川慶治朗だった。
聞きながら、この試合では難しそうだ、と思った。1-0のまま堪えていればわからなかったが、アッサリ1-2。これは後半も点差が開いていくパターンだろう、と。
この日の神戸は、アンドレス・イニエスタやトーマス・フェルマーレン、ドウグラスを負傷で欠き、セルジ・サンペール、ダンクレー、さらに西大伍、酒井高徳、古橋亨梧までもベンチスタートにしていた。
タイトル獲得の可能性を考えれば、この試合よりも次の水曜日にあるルヴァンカップに注力するのだろう、と思えた。
試合が始まると、神戸の選手達は勢いよく走った。イニエスタやドウグラスがいない状況では、そうするしかない。小川や小田裕太郎は、前線で駆け回るだけではなく、横浜F・マリノスの中盤にしつこくプレスをかけていたし、菊池流帆は、流れの中とはいえセンターバックの位置から相手ゴールキーパーの朴一圭までプレッシャーをかけに走ることもあった。藤本憲明の先制ゴールも、プラン通りに生まれた。