■"良い内容ながら結果が出なかった試合"
この試合も、どうせ名古屋グランパスが前半に猛攻を見せて、後半にベルマーレが反撃することになる、と思っていた。
しかし、この試合のベルマーレは前半から攻めていた。
チームで最もテクニカルで、スペシャルな選手になりつつある鈴木冬一がベンチスタートになったことは、かえってシンプルに縦に進むという結果をもたらしていた。
得点こそ入らなかったものの、互いに攻撃を繰り出す好ゲームが展開され、それは後半も続いた。
90+2分、マテウスのコーナーキックが齊藤未月のヘッドギアを掠めてゴールに吸い込まれたものの、ベルマーレとしては、これこそまさに"良い内容ながら結果が出なかった試合"だ。
対するグランパスは、最後の最後で幸運を手にした。引き分けが妥当な試合でも勝利を手にする、というのは、上位争いをする中で不可欠なものだ。
両チームにとって、長いシーズンのターニングポイントになり得る試合だった。
スポーツでは不思議なことが起こる。
だからスポーツは面白い。