■サプライズのヒールパス!

 その瞬間、ペナルティエリアをゴール方向に猛然と走り抜ける選手がいた。右サイドバックの山根視来だ。脇坂はペナルティエリアの深い位置に浮き球を送ると、山根がそれを追い越した。そして、そのボールをヒールで後ろに蹴り上げたのだ。

 山根のサプライズ・ヒールパスは、ゴール前にフワリと送られる。それに反応したのは、家長だ。昨季11得点を挙げた“ストライカー”はこのボールをダイレクトで合わせると、次の瞬間にはゴールネットを揺らしていたのだ。

 サイドを崩すのは現代サッカーの重要な要素だが、サイドバックがペナルティエリア内に走りこんでヒールパスを送るとは、観客はもちろん、横浜Mの選手も驚いたはずだ。川崎の強さは、昨季からさらに磨きがかかっているといえそうだ。

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