■ 公式リセールによる“完全集金システム”。W杯を富裕層の祭典にしたFIFAの強欲

 2026年のワールドカップを巡って、人々が反感を募らせたのが入場チケット価格の高騰だった。

 まず、FIFAの価格設定が従来より高い水準だったし、そのチケットの価格は「ダイナミック・プライシング(需要と供給に応じて価格が変動する仕組み)」という手法で人気カードの価格はさらに上がった(FIFAが情報操作をして価格を釣り上げたという疑惑も報じられている)。

 そして、極めつけが公式リセール・サイトだ。

 本来なら公式リセールでは定価(購入価格)での出品とされるはずだが、今回は出品者が価格を自由に設定することができた。これで、価格はさらに上昇し、その分が手数料としてFIFAの収入になるという、FIFAの“完全集金システム”が完成した。

 結果として、1世紀半前に労働者階級の支持によって世界で最も人気のあるスポーツに発展したサッカーの世界から、貧しい階級のファン、サポーターが排除され、ワールドカップは“富裕層のための祭典”になってしまった。

 そうした、数多くの不満や反感が渦巻いている中でバログン問題が発生したのだ。インファンティーノ体制に強く反発する者もいれば、なんとなく不満を抱いている層もいる。「バログン問題」は、もしかしたら、そうした人たちを結び付けて“反インファンティーノ体制”への渦巻を起こすきっかけになるかもしれない。

“インファンティーノのオウンゴール”がインファンティーノ会長の敗戦につながる大きな出来事なのか、圧勝の試合の中でのほんの小さなエピソードにすぎないのか、注目したい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3