北中米ワールドカップで旋風を巻き起こすアフリカ勢。その躍進の裏には、30年前とは決定的に異なる代表選手たちの「ルーツ」があるという。カーボベルデやモロッコなど、好成績を残すチームの構成から見えてきたのは、欧州の育成組織で育った選手たちの存在だった。サッカージャーナリスト・後藤健生氏が、現代サッカーの新たな勢力図をひも解く。
■ 30年前とは激変した「代表選手たち」のルーツ
30年前のアフリカ勢と現在のアフリカ諸国との間には大きな違いがある。
それは、かつてのカメルーンやナイジェリア代表はほとんどすべての選手が自国生まれで国内の育成組織で育った選手だったのに対して(※)、最近のアフリカ諸国の代表選手の多くがヨーロッパ諸国で生まれ、ヨーロッパのクラブの育成組織で育った選手だということである。ヨーロッパ諸国で年代別代表を経験した選手も少なくない。
(※注)1990年大会で活躍したカメルーン代表は全員が自国生まれ。94年のナイジェリアではヨーロッパ生まれはイングランド出身のエファン・エコクのみ。FWのエコクはワールドカップでは出場機会はなかった。
たとえば、今年の大会で旋風を巻き起こしたカーボベルデは、各国から選手を集めたチームとして注目を集めている。
かつて、アフリカ大陸から多くの黒人奴隷を乗せて南北アメリカ大陸に向かう奴隷船の中継拠点として栄えたカーボベルデは世界各国と結びついており、選手の出身国も必ずしも旧宗主国であるポルトガルではなく、アイルランドやオランダなど多くの国を含んでいる。
ちなみに、2010年代にスポルティングCPやマンチェスター・ユナイテッドで活躍し、ポルトガル代表歴も100を超えるナニ(本名ルイス・カルロス・アウメイダ・ダ・クーニャ)も首都プライア生まれのカーボベルデ出身だ。























