■札幌はペナルティエリア内のクオリティに課題が
J2のチームで厳しい前半戦を過ごしたチームとして、北海道コンサドーレ札幌があげられる。
川井健太新監督のもとでリスタートを切ったチームは、同じJ2のジュビロ磐田とヴァンフォーレ甲府を90分以内で退け、同じくJ2の藤枝MYFCにPK戦で勝利した。一方で、J3のFC岐阜、松本山雅FCに敗れており、今節もJ3の福島ユナイテッドFCにホームで苦杯をなめた。0対2で落としてしまったのである。J3相手に3敗を喫しただけでなく、AC長野パルセイロ戦もPK戦で辛うじて勝利した。
J2のクラブと対戦するJ3のクラブが、前半開始から勢いを持って入るという試合は多くない。先制点を許すと、追いついて逆転するためにはリスクをかけざるを得ないからだ。J3の立場で彼我の力関係を考えると、先に失点しないことが大切になる。
J2のクラブから見れば、自分たちがボールを動かす時間、そのうえで相手を押し込む時間を作ることはできる、ということである。
福島戦の札幌もそうだった。前半26分までに得点機を3度作ったが、ゴールを割ることができなかった。
川井監督は福島戦後の記者会見で、「J3との試合で起こっている現象としては、ある程度押し込めている。そこで我々の得点力が足りない。相手ペナルティエリア内でのクオリティは足りない」と話した。チャンスを続けて逃すと、試合の流れは相手へ傾いていく。J2対J2でも、J2対J3でも、それは変わらない。前半のうちにワンチャンスを生かされてビハインドを背負い、後半も相手より多くのシュートを記録しながら2失点目を喫してしまった。
ここまで苦しい戦いが続いているだけに、札幌の選手たちは一人ひとりが何とかしようとする。「自分がどうにかしなければ」という気持ちを強く持っているがゆえに、連動性を欠いてしまうシーンも見受けられる。福島のGKが川崎フロンターレで長くプレーしたチョン・ソンリョンだったことも、この日の結果に影響した。韓国代表歴を持つ彼は、勝負を決めることのできる「個」である。
札幌の川井監督は、ここまでの9試合で28人の選手を起用している。J2の20チームでは藤枝MYFC、カターレ富山と並んで最多だ。勝った試合のあともスタメンに手を加えるなどして、試合ごとに勝利への最適解を探している。結果的にそれは、選手層を厚くすることにもつながるだろう。
昇降格なしでPKありの特別なシーズンだとしても、より多くの勝利をつかんだほうがいい。地域リーグラウンドでは、勝点1あたりに50万円の賞金も出る。
ただ、百年構想リーグは来たる26―27シーズンへの助走期間だ。結果を得ることはもちろん大事だが、結果は課題を見えにくくもする。J2のクラブにとっては、J3のクラブとの戦いをどう位置付けて、どのような学びを得るのかが大事になる。「見た目の順位」に気を取られて、チームの現在地を見誤らないようにするべきだ。









