【2026年明治安田J2・J3百年構想リーグ「地域リーグラウンド前半戦総括」】J2とJ3の間にある「個」の差、札幌がJ3のチームに勝てない理由【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
J3のチームに3敗の北海道コンサドーレ札幌  撮影/中地拓也
【前編に戻る】

■徳島はブラジル人2トップが「個」の違いを見せて

 明治安田生命J2・J3百年構想リーグは、4月5日までに前半戦を終えた。J2、J3の合計40チームが4つのグループに分かれて地域リーグラウンドは、前半戦を終えたことになる。

 WEST―Aで首位を走る徳島は、ここまで7勝2敗の成績を残している。勝利はすべて90分以内で、総得点22は全40チームでRB大宮アルディージャに次ぐ2位だ。このグループはJ3のクラブが「6」を数え、徳島はJ3のクラブ相手に全勝の成績を残している。

 J2とJ3でも、「個」のクオリティに差がある。J1とJ2よりその差は小さい印象だが、勝負を決定づける場面では「個」の力が表われる。アタッキングサードで相手を止めるか、突破されてしまうのか。得点機で決めきれるか、逃してしまうのか、といったところだ。

 徳島は前線に際立った「個」を持つ。ルーカス・バルセロスとトニー・アンデルソンだ。

 昨シーズンのJ2で14ゴールを記録したバルセロスは、ここまで得点ランクトップの8ゴールを記録している。局面を打開する力がずば抜けており、前線へ蹴り出されたボールをDFと競り合いながら収め、ゴール前まで運んでいける。相手のハイプレスを受けて前線へ蹴り出すことになっても、彼がいればカウンター発動に成り得るのだ。

 アンデルソンは昨シーズン終盤からスタメンに定着し、今シーズンは開幕節からバルセロスと2トップを組んでいる。こちらもボールを収める能力が高く、サポートが少ない局面でもロストが少ない。彼もまた、プレス回避の出口になってくれるのだ。

 最前線で攻撃の起点になりつつ、中盤へ落ちてビルドアップのサポートもする。守備の意識も高めており、攻守両面で機能するようになっている。

 今シーズンから徳島を指揮するゲルト・エンゲルス監督は、ヘッドコーチからの昇格だ。新監督だがチーム状況は把握できている。

 チーム編成にも大きな変化はない。GK田中颯がJ1のFC東京へ移籍し、エウシーニョとの契約を満了としたものの、主力選手がほぼ残っている。DF青木駿人とFW渡大生がオフに手術を行なってチームを離れているが、昨シーズンの大半を欠場したMF岩尾憲が開幕から稼働している。既存のメンバーが昨シーズンと同じ3バックで、チームの練度を高めているのだ。

 J2屈指の決定力を持つルーカス・バルセロスがいて、すでに計算の立つ選手がスタメンに並ぶのだ。J3チームを相手に取りこぼしをしないのは当然と言える。

  1. 1
  2. 2
  3. 3