■狙いとは違うゴール

 さて、25分までに3ゴールを奪った川崎の攻撃力を見るとこのまま一方的な試合になってしまうかとも思われた。

 しかし、川崎の3ゴールは、本来川崎が狙っていた形とは違っていたのではないだろうか。

 川崎と言えば、ボールを握ってパスを回して相手守備陣を崩し切ってゴールにつなげるのが目指しているスタイルのはずである。

 だが、この日の前半の3得点は、そういう形とは違っていた。

 1点目、2点目はいずれもGKのスベンド・ブローダーセンからトップのエリソンを狙ったロングフィード(パントキック)がきっかけだった。

 1点目はエリソンをマークしていた柏のDFがクリアしたボールを拾った紺野が左サイドの伊藤に展開したもの。2点目はエリソンの落としをやはり紺野が拾って伊藤につないだものだ。

 そして、3ゴール目は柏が攻め込んでチャンスをつくった後のクリアをタッチライン際で伊藤が拾って、脇坂がドリブルで持ち上がったロングカウンターだった。

 川崎は守備時にはトップのエリソンを残して全員が自陣に引き、4人のDFと5人のMFがブロックをつくって守っていた。そこでボールを奪ってから、前方にある広大なスペースを利用して、ドリブルあるいはカウンターから3ゴールを奪ったのだ。

 そこで3点を決めきった決定力は素晴らしいものだったが、あれは本来の川崎の狙いではなかったはず。守備陣としては明らかに引き過ぎだった。

つづく

 

(2)へ続く
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