サッカーで一番盛り上がるのはゴールシーンであり、点を取る選手にスポットライトが当たりがちだ。だが、今季のJリーグMVPは得点を防ぐGKだった。サッカージャーナリスト大住良之が深掘りすると、強いチームとGKの切っても切れない関係が浮かび上がってきた。
■元日本代表が現日本代表を育てる
早川友基は今年(2025年)7月の「E-1東アジア選手権」で初めて日本代表に選出され、第2戦の中国戦にフル出場して2-0の勝利に貢献した。そして9月からはコンスタントに日本代表に呼ばれ、11月には、鈴木彩艶の故障欠場とともに、長く「第2GK」と目されていた大迫敬介が天皇杯出場のため選出を見送られると、ガーナ戦、ボリビア戦の2試合でゴールに立ち、高い評価を得た。
シュートストップの技術はもちろんだが、足元のプレーもしっかりしており、パスを受けての判断も非常に優れている。2026年ワールドカップのメンバー入りは「当確」と言っていい。
早川の成長は鹿島でのトレーニングと経験の賜物に違いない。早川は神奈川県相模原市出身。横浜F・マリノスのジュニアユースから桐蔭学園高校を経て明治大学に進んだが、187センチという恵まれた体ながら、明大でもなかなかレギュラーにはなれなかった。その早川をプロに誘い、ここまで鍛え上げた鹿島の歴代GKコーチに敬意を表したい。ちなみに、鹿島のGKコーチは、曽ヶ端準氏と佐藤洋平氏の2人がここ5年間ほど担っている。










