■中立のファンの目に映った「試合」
天皇杯準決勝の模様はNHK総合テレビで放映された。
ネット配信全盛の現在、サッカーの試合の地上波での放送は激減している。日曜日の午後にNHK総合テレビで放映されれば、ふだんはサッカーに接していない人たちも数多く視聴したはずである。
決勝進出を目指して戦っている両チームのサポーターにとっては、選手や監督と同じく「勝つこと」が最大の目的だったから、0対0のまま延長に突入する試合展開に手に汗を握ったことだろう。
だが、どちらのチームにも肩入れしない中立のファン、あるいは、そもそもサッカーの試合をあまり見たことがない人たちの目に、この町田とFC東京の試合はどのように映ったことだろうか?
少なくともサッカーの試合をふだんから見慣れており、技術的、戦術的な知識も一般人よりはるかに豊富な(はずの)サッカー記者たちも「つまらない試合」と口をそろえていたのだ。
サッカーを見慣れない人たちにとっては、この“凡戦”を120分間見続けることは、もしかしたら苦痛ですらあったかもしれない。








