■勝負強い鹿島を支えた「新監督」と「新戦力」
Jリーグ優勝8回、「オリジナル10」で横浜FMとともに今季まで33シーズン「トップリーグ」の座を守り、1131戦して613勝183分け335敗。鹿島は間違いなくJリーグ・スタートから今季に至るまで「最も成功したチーム」だ。2016年の優勝を最後にJ1のタイトルから遠ざかり、川崎と横浜FMに主役の座を譲り渡していたが、鬼木監督の下、今季は本来の「勝負強さ」を示してきた。
「補強」はチームづくりのベースのひとつだが、このクラブはそれが継続的にうまくいっている。今季はセレッソ大阪から獲得したFWレオ・セアラの存在が大きかった。コンスタントに得点して18ゴールでランキング1位。昨年まで最前線で攻撃をけん引していたFW鈴木優磨が自由に動けるようになり、鈴木自身のプレーにも幅が出た。
レオ・セアラの他にも、「補強の成功」は少なくない。今季前にサガン鳥栖から獲得した韓国代表DFキム・テヒョンは、守備の中心だったDF関川郁万が5月に負傷すると、DF植田直通とコンビを組んで守備を支えている。横浜MFから獲得したDF小池龍太も、左右のサイドバックをこなして守備に穴をつくらせなかった。さらにシーズン半ばには、DF小川諒也、MFエウベルを補強し、大きな力となった。
鬼木監督はアカデミー出身のMF舩橋佑を、4月からボランチのレギュラーに抜てき。ボールを奪い、長短のパスで攻撃陣の長所を引き出すことで、攻撃が活性化された。「司令塔」役を務めるMF三竿健斗、「ボールウィナー」の知念慶、経験豊富なMF柴崎岳と、多彩なボランチ陣が、試合の状況に応じて持ち味を出し切っている。
GK早川とともに守備陣で特筆されるのがセンターバックのDF植田の存在感だ。早川とともに全35試合にフル出場し、圧倒的なヘディングの強さだけでなく、経験を生かしたカバーの良さなどで、「最少失点」の守備を支えている。







