■「優勝争い」と「残留争い」の不思議な因縁

 さて「最後の3節」、優勝争いと残留争いには不思議な巡り合わせがある。

「残留」の光が見えてきた横浜FMは、第36節アウェー京都戦、第37節ホームC大阪戦、そして最終の第38節アウェーの鹿島戦と、上位との対戦が続く。そして横浜FCは、第36節アウェー鹿島戦、第37節ホーム京都戦、第38節アウェーC大阪戦。ホームとアウェーの違いはあるが、残りの対戦チームがまったく同じなのである。

 現時点では、横浜FMは勝点37、横浜FCは同32。「5差」があるため、横浜FCは少なくとも2勝しなければならない。相手を見れば、なかなか厳しい状況と言える。しかし第35節の柏戦で見せたように、「堅守速攻」の横浜FCはJリーグのどんなチームにとっても簡単ではない相手。可能性はゼロとは言えない。

 一方、勝点1差で「優勝争い」を演じている2チームは、鹿島が第36節ホーム横浜FC、第37節アウェー東京ヴェルディ、第38節ホーム横浜FMと、すべて下位チームとの対戦となる。柏は第36節ホーム名古屋、第37節アウェー新潟、そして第38節ホーム町田。鹿島の3連勝が十分可能性のあるものであると考えると、柏としてはひとつの引き分けも許されない状況が続くだろう。

 Jリーグがスタートから続けてきた「単年制」のシーズン最終年。鹿島の9回目の優勝なるか、それとも柏が14年ぶりの優勝を果たすか。そして鹿島とともに33シーズン「J1」の座を守ってきた横浜FMは、その座を守れるのか―。興味尽きない「ラスト3」だ。

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