■残された「スターリン様式」の建造物
古いセントラル・スタジアムは1957年に完成しました。
もちろん、芝生の上では地元クラブ「ウラルマーシュ」(現在のFCウラルの前身)の試合などサッカーも行われましたが、陸上競技場としても、自転車競技場としても使用され、さらに冬場にはスケートリンクとしても使われました(冬場には最低気温がマイナス30度にも達するので、氷を張るのに苦労しないのでしょう)。
とくにスケート場としては有名で、国際的な大会も数多く行われたようです。
しかし、2018年のワールドカップを控えて、スタジアムは2014年から全面改装されてサッカー専用競技場に生まれ変わりました。スタンドも全面的に建て替えられました。スタジアムの中の景色は、普通のサッカー専用スタジアムです。
しかし、外部のデザインとしては昔のスタジアムの外壁がそのまま残されたのです。この都市のアイデンティティーの一つでもあった古いスタジアムの“記憶”を残すために、です。両サイドより中央部が高くなっており、そのメインスタンド中央部には6本の太い列柱が並んだ擬古典様式の象徴的なファサード(建築物正面部のデザイン)が見てとれます。
そういえば、2018年ワールドカップのメイン会場(開幕戦や決勝戦の舞台)となった首都モスクワのスタディオン・ルジニキも、ピッチやスタンドは全面改築されたのですが、スタンド外部は全面にわたって列柱が立ち並ぶ重厚なデザインがそのまま残されました。
第2次世界大戦後に、ソ連共産党のスターリン書記長が独裁権力を振るった時代に建てられた、いわゆる「スターリン様式」の建造物の一つです。
ロシアの人々は過去を大切にしているようです。









