■「座っていられない」恐怖のスタンド

 ふだんのリーグ戦などでそれほど多くの観客数が見込めないスタジアムの場合、ワールドカップやオリンピックのときには基準を満たすため仮設スタンドを建設して、大会終了後に撤去してダウンサイズするのは普通に行われていることです。

 2002年の日韓ワールドカップで使用された神戸の御崎公園球技場(現ノエビアスタジアム)は、やはりゴール裏に仮設スタンドを建設。ワールドカップのときの収容力は4万2000人でしたが、大会終了後に仮設スタンドは撤去されて可動式の屋根が設置され、収容力は3万4000人になりました。

 しかし、エカテリンブルクの仮設スタンドは、周囲に何も構造物がない場所に鉄パイプむき出しで組み立てられていたことと、その高さに皆がびっくりしたものです。高所恐怖症だったら、絶対に座っていられなかったんじゃないでしょうか。

 その、仮設スタンドのことは、現地を訪れる前から知識として知っていました。

 しかし、もうひとつ、僕が驚いたのはメインスタンドのデザインでした。真円形の巨大な屋根を支える近代的な構造物の下に、古いスタジアムの外壁が見えるのです。

 そう、全面改修される前のスタジアムの外壁をそのまま残してあったのです。

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