■国立には「落雷はない」という確報
20年以上も前のことだが、激しくカミナリが落ちる中で試合が最後まで中断されなかったのを見たことがある。U-22代表チームの国際親善試合だったように思う。会場は東京の国立競技場である。ピカッと光ってからドカンと音がするまで10秒はかからなかったから、おそらく落雷地点から数キロも離れていなかったはずだが、そのままプレーは続けられた。ドカン、ドカンと落ちる中で中断されなかったのには驚いた。
ピッチ上の選手も怖かっただろうが、それ以上に、スタンドを埋めたファンの安全は考えられていたのだろうかと心配になった。ご存じのように、旧国立競技場は屋根があるのはメインスタンドだけで、両ゴール裏から巨大なバックスタンドにかけて、観客席は完全な「野ざらし」状態だった。
バックスタンドには4本の高い照明塔があった。当然、避雷針がついていたはずだが、落雷があっても、それに誘導されるから観客席は安全と考えられていたのだろうか。それとも、試合の主催者である日本サッカー協会は気象庁と特別な連絡をとり、国立競技場には落雷はないという確報を得ているのだろうかと考えたりした。
もちろん、現在の基準であれば、試合中断は不可避な状況である。あの状況で大きな事故につながらなかったのは、本当にラッキーだった。









