■FIFA会長にとって「最重要業務」は

「乗っ取り」がIFFHSだけなら実害はありません。しかし、実際には多くの組織が乗っ取られてしまいました。

 1970年代に西アジアのサッカーが台頭して以来、東アジアとのバランスを取りながら運営されてきたアジア・サッカー連盟(AFC)。本部は、今でもマレーシアのクアラルンプール近郊にありますが、会長職はこのところずっと中東でたらいまわし。アジアカップや各年代別大会、ACLと、ほとんどの大会がサウジアラビアかカタールで開催されるようになってしまいました。

 つまり、「AFC」は事実上「アラブ・サッカー連盟」になってしまったのです。

 いや、IFFHSやAFCだけではありません。国際サッカー連盟(FIFA)もサウジアラビアの資金力に屈してしまったようです。来月開かれるクラブ・ワールドカップも、2026年のFIFAワールドカップも中東の資金頼り……。

 今月15日に南米のパラグアイでFIFA総会が開かれましたが、ジャンニ・インファンティーノ会長はトランプ米大統領の中東歴訪に同行していたため、総会に遅刻して世界中の顰蹙を買いました。今や「中東詣で」こそが、FIFA会長にとっての最重要業務となってしまったようです。

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