後藤健生の「蹴球放浪記」第267回「中東に乗っ取られてしまったIFFHS」の巻(2)AFCのほとんどの大会が「サウジ」か「カタール」で開催、「クラブW杯」も「北中米W杯」も頼みの綱は…の画像
2003年のザルツブルクでのIFFHS「ガラ」での1コマ。提供/後藤健生

 現在、潤沢なオイルマネーを背景に、サッカー界で意見を強める中東諸国。蹴球放浪家・後藤健生が所属していた真面目な組織も、いつの間にか、その支配下に置かれていたという。静かに忍び寄る「長い手」に、蹴球放浪家が警鐘を鳴らす!

■あまりに「小柄だった」名GK

 表彰式にはドイツ代表のGK、オリバー・カーンなど多数の現役選手のほか、フランツ・ベッケンバウアーやヨハン・クライフも招待されていました。到着して、会場のホテルにチェックインしてエレベーターに乗っていたら、いきなりイングランドの名GKゴードン・バンクスが乗ってきました。GKというには、あまりに小柄なのでビックリしたことをよく記憶しています。公称183センチですが、そんなになかったと思います。

 IFFHSのメンバーともこのとき、初めて直接対面しました。ベルギー・サッカー協会の役員などもいましたが、ジャーナリストや在野の歴史家が多く、その後も交流は続き、資料のやり取りなどをしていました。インターネットで何でも手に入る時代ではなかったので、僕にとってはかなり便利な情報源でした。

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