■神戸に求められる突き上げ

 ようやく序盤戦を終えたという段階で、どのチームにも数字上の可能性が残されている前提で考えても、シーズン折り返しで首位との勝ち点差が10以上あると、かなりの奇跡的なことが起こらない限り逆転優勝は難しくなる。
 2連覇中のヴィッセル神戸は現在9位。鹿島より2試合少ないながら、現在の勝ち点が21で、鹿島と13の差があるのはシビアな状況だ。しかも後半戦にはACLエリートの新シーズンもあり、終盤戦になるほど過密日程を戦っていかなければいけない。大迫勇也武藤嘉紀の復調が必要であることは間違いないが、彼らにも代わりうる存在がどんどん突き上げてこないと急浮上は難しい。もちろん6月の特別登録期間を利用した補強も鍵を握りそうだ。
 チームのポテンシャルを考えれば、ACLエリートのファイナリストでもある16位の川崎フロンターレ、17位の名古屋グランパスといったチームの奮起に期待したいところだ。川崎はサウジアラビアでタフな3試合を戦って、中7日あったと言っても、いきなり鹿島との大一番を戦うというのはタフであり、しかも、第18節のガンバ戦まで5連戦という厳しい日程だ。
 いきなり鹿島に敗れたことで、首位との勝ち点差は16に広がってしまった。3試合少ないので、まままだ巻き返しは可能だが、ここからのホーム4連戦で負けが混むと残留争いに巻き込まれかねない。まさしく正念場と言えるだろう。前半戦のラストとなる第19節のアウェー広島戦までに、どれだけ勝ち点を積み上げていけるか。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6