■広島は悪くない位置付け

 ミヒャエル・スキッベ監督が4年目を迎え、ジャーメイン良、田中聡菅大輝などの大型補強で、リーグ優勝の有力候補にあがっていた広島は開幕戦で、昨年3位の町田にアウェーで勝利。順調な滑り出しで勝ち点を積み重ねていた。
 暗雲が垂れ込めたのはACL2の準々決勝での敗退と、セーラーズを相手に6ー1で大勝したファーストレグが、不正の発覚により没収試合(0ー3の敗戦扱い)になったことに伴う強化部長の交代というのが、チームを難しい状況に追い込んだことは間違いないだろう。
 この間に若手のホープである中島洋太朗など、多くの怪我人が出たことも痛手となった。”中国ダービー”とも銘打たれたホームの岡山戦に敗れるなど、4連敗を喫する厳しい時期を経験しながら、福岡、湘南、ガンバを相手に3連勝。「この連戦は良いサッカーができなかった」と指揮官が認めるように、チームが好転したわけではないが、いかなる時でも大崩れしない3バックの守備と日本代表GK大迫敬介の存在を頼りに、相手側の退場などにも助けられる形で、勝ち点3を積み上げている。広島に関してはこれだけ難しい流れが続いた中でも、1試合少ない状況で、首位の鹿島と勝ち点8差の5位に付けていることはリーグ優勝に向けても、悪くない位置付けと言える。

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