■三竿「オニさんがずっと言っていること」

 3試合ぶりにレオ・セアラが先発復帰し、好調の三竿健斗と舩橋佑がボランチコンビを組む中、スタートしたこの試合。鹿島は開始7分に佐々木旭にいきなりCKから失点を食らうというまさかの幕開けを余儀なくされた。その後も川崎のカウンターを立て続けに受ける苦しい展開に陥り、前半は耐え忍ぶ時間が長く続いたのだ。
「前半はコンパクトさに欠けてて、守備の部分であんまり球際の局面を作り出せなかった。相手の攻め残りの管理のところで攻めた後にセカンド(ボール)を拾われて、そこからスピードのある選手に持っていかれ、どんどん展開がオープンになっていった印象です。
 それでも連続失点だけはしないようにと意識していた。それはオニさんがずっと言っていること。セットプレーの守備が長かったんですけど、『耐えよう』と話していました」と三竿も辛抱を強調していた。
 その姿勢が奏功し、前半終了間際に舩橋が値千金の同点弾をゲット。鈴木優磨が粘って折り返したボールを受け、大関友翔をかわして確実に左足で仕留めたのだ。
「あのへんのシュートはいつも練習していた。『本当に枠に飛んでくれ』と思って蹴ったらうまく入った」と22歳の若武者は力を込めた。この同点弾でチーム全体が活気づいたのは間違いない。
 そこで鬼木監督は畳みかけることを忘れなかった。後半頭に三竿と荒木遼太郎を下げ、知念慶松村優太を投入。さらにレオ・セアラが傷んだのを見逃さずに田川享介を送り出し、裏抜けを強く意識させたのだ。

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