
ミヒャエル・スキッベ監督体制の過去3年間は3位・3位・2位とじわじわとJ1タイトルに近づいているサンフレッチェ広島。今季もジャーメイン良や田中聡、菅大輝といった即戦力を補強し、盤石なスタートを切ったはずだった。
ところが、攻撃で違いを作れるトルガイ・アルスランと中島洋太朗が負傷で長期離脱。新助っ人FWのヴァレール・ジェルマンも4月中旬に肉離れに見舞われ、プレー不可能な状態に陥り、前線の枚数が手薄になってしまったのだ。
そうなると、広島としてはなかなか点が取れなくなる。4月のファジアーノ岡山、名古屋グランパス、浦和レッズ、アルビレックス新潟戦の4連敗は、それが積み重なったものだった。4試合のうち無得点試合は3つ。名古屋戦だけは菅が1ゴールをマークしているが、ジャーメイン、加藤陸次樹、中村草太、前田直輝といった前線アタッカー陣に得点が生まれなかった。
「点が取れないところに目が行きがちですけど、失点が続いたので。僕らとしてはそこに問題があったとも感じています。数字を見ると、1試合平均1失点を切っているので、大崩れはしていない。あと一歩、スキを減らして、カウンターを受けるところをなくせば、もっと勝てる確率は上がると思います」と日本代表守護神でもある大迫敬介は守備陣の責務を強調していたが、どう点を取るかが今のチームの最重要命題なのは確かだ。