■「選択肢を最大化できるよう」

 樋口CCは自らの立場をこう説明する。
「チームのトレーナーという役職の方がいて、当然、監督やテクニカルスタッフという方々がいる。僕はその間に入って、いわゆるメディカル的な言語とテクニカルサイドの言語を、その間で通訳するような立場が一番自分には必要なことだと思ってます」
 そして、「監督がピッチへ送り出す選手の選択肢を最大化できるよう怪我人を最少限に抑え、長所を更に伸ばしていけるようサポートする」とも自身の指名を言葉にする。
 だからこそ、冒頭で述べたように選手個々のオーダーにも本気で取り組むのだ。
 一方で、伊藤のやり方について「実際の効果はどうなのか、あまり聞いたことがないやり方ですけど」とも言葉にしたのは、自身の中でフィジカルの勉強を体系的にしているから。そのために常にインプットを怠らず、オフシーズンにはイギリスに渡って最先端の情報を体で浴びる。ジムや講習で研さんを積み、プレミアリーグの試合も観戦。さらには、アーセナルの練習場も見学したこともある。
「日本のスタンダードとしてこういうトレーニングをやってるけど、イギリスの同業者の目線で自分を評価してほしい。どう感じるのか、もし足りないことがあったらその足りない部分を、もし選手でいた時にどういう補助エクササイズを加えればいいのか指摘してほしい」
 こう呼びかけては、アップデートを図る。ちなみに、アメリカではなくイギリスを選択したのは「サッカー」の要素が少ないから。チームのため、選手のために、「今では実家に帰る回数より多い(笑)」と笑うほどに自らに成長を課す。

PHOTO GALLERY 全ての写真を見る
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4