■高井幸大はリーダー的存在に

 そして守備陣だが、こちらも2026年W杯アジア最終予選メンバー入りしていた中山雄太(町田)と高井幸大(川崎)が軸。特に高井は若いが、リーダー的存在にならなければいけない人材である。この2人に続くと見られるのが、過去に森保ジャパン招集歴のある荒木隼人(広島)と三浦颯太(川崎)。そこに新顔の安藤智哉(福岡)、山川哲史(神戸)、佐々木旭(川崎)、綱島悠斗(東京V)、濃野公人(鹿島)を加えた編成というのがポジション的にもバランスがいい。
 右SBは佐々木と濃野、左SBは中山と三浦がいるし、CB陣っも長身で競り合いに強い人材ばかりだ。濃野はこのところ負傷離脱しているが、7月時点では戻ってくるだろう。あの攻撃力を国際舞台で試してみたいのは確かだ。
 目下、代表DF陣を目を向けると、欧州組の谷口彰悟シントトロイデン)、冨安健洋アーセナル)、伊藤洋輝(バイエルン)が負傷離脱中で手薄感が否めない。だからこそ、国内組の底上げは重要だ。まだ代表経験のない安藤や綱島ら成長株にはこういう国際舞台を経て自信をつかみ、一気に台頭してほしい。代表未経験の面々の動向が大いに気になるところだ。
 最後のGK陣は大迫敬介(広島)と谷晃生(町田)という最終予選常連組に加え、もう1枚は山口瑠伊(川崎)を選びたい。彼はフランスで育成年代を過ごし、スペインの下部リーグでプレー。2022年の帰国後は水戸ホーリーホック、町田を経て、今季から川崎で定位置をつかんでいる。ポテンシャルはFC東京U-18にいた頃からかなり評価されていたが、ここへきて才能が開花した印象もある。
 今後、名古屋グランパスのチーム状態が上向けばシュミット・ダニエルの代表復帰もあるかもしれないが、今のところは山口が有利なところにいる。彼には失点減という重要なタスクを果たし続けてほしいものだ。
 これはあくまでJ1の現状を踏まえた選考だが、ここからの展開次第では陣容が大きく変わるかもしれない。まずは4月後半以降のリーグの成り行き、選手個々のパフォーマンスを見極めていくことが肝要だ。
(取材・文/元川悦子)

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