■問われる名将・鬼木達監督の手腕
鹿島も4月に入ってからの公式戦4連敗は予想外だ。広島に敗れた後の京都戦で4失点し、守備組織が乱れたのが非常に痛かった。その後、YBCルヴァンカップ・レノファ山口戦を挟んだ過密日程のセレッソ大阪戦では濃野公人が欠場し、チームを支えていた小池龍太も負傷。津久井佳祐はまずまずのパフォーマンスを見せたが、植田直通と関川郁万のところで守り切れないシーンが何度もあり、守備の再整備が急務の課題となっている。
対戦相手もレオ・セアラと鈴木優磨の強力2トップ対策を徹底し始めており、攻撃ももう一段階のテコ入れが必要。チャヴリッチや田川享介、荒木遼太郎を含め、まだ結果を出せていないアタッカー陣をどう組み込んでゴールという形を作るのか。今こそ、名将・鬼木達監督の手腕が問われる。
停滞中と言えば、最下位に沈む名古屋グランパスと18位の横浜F・マリノスがより深刻。名古屋は開幕から6戦未勝利の後、横浜FCとマリノスに連勝。一息ついたかと思われたが、またしても湘南ベルマーレとガンバ大阪に連敗。浮上のきっかけが見えない印象だ。
特に目を向けなければいけないのは失点19という守備。開幕前に期待値の高かったシュミット・ダニエルが負傷離脱し、彼の不在が守りの乱れにつながっていると見られていたが、シュミットは横浜FC戦から復帰。その後はコンスタントに出ているものの、複数失点が止まらない。湘南戦の福田翔生のゴールも不用意なミスからだし、ガンバ戦のイッサム・ジェバリの得点シーンも守備陣のバランスが悪かった。これを修正しなければ、J2降格ゾーンを抜け出せない。長谷川健太監督の去就を含めて、動向を注視すべきだろう。