【第10節終了のJ1。首位・福岡、2位・京都に鹿島は8位後退。なぜここまで想定外が続くのか?(2)】ケガ人続出の鹿島、得点力不足の広島、停滞の続くマリノスと名古屋。浦和は復調傾向か?の画像
鹿島アントラーズのレオ・セアラ、サンフレッチェ広島のジャーメイン良、浦和レッズの松尾佑介、横浜F・マリノスの天野純 撮影:中地拓也

 例年以上に混沌とした状況になっている2025年J1。上位陣の顔ぶれはサプライズ以外の何物でもないが、中位から下位にビッグクラブが並んでいるのも信じがたいものがある。

 まず今季優勝候補筆頭と目されたサンフレッチェ広島だが、ACL2での不本意な敗退、攻撃のキーマンであるトルガイ・アルスランの長期離脱などが災いし、勝ち切れない試合が目立つ。ここまで9試合を消化して、格下であるはずの京都サンガとファジアーノ岡山に敗れたのは痛かった。ミヒャエル・スキッベ監督の思い通りの展開になっていないのは確かだろう。
 特に気になるのは総得点9という数字だ。今季加わった新エース・ジャーメイン良がまだ1点にとどまっていて、加藤陸次樹も無得点。大卒新人の中村草太が2点を気を吐き、3月末に電撃移籍してきた前田直輝も奮闘中だが、期待の助っ人外国人FWヴァレール・ジェルマンもまだフィットしていない印象。明確な得点源が不在なのだ。これを打開しない限り、トップに立つのは難しい。ここからギアを上げていくしかなさそうだ。

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