■バンコクでも「チャン」と出会う

 もっとも、街中で多数の象を見かけたのは、これが初めてではありませんでした。1998年のバンコク・アジア大会の途中で観光に行ったアユタヤの街でも多くの像が歩いていました。

 アユタヤ(プラナコーンシーアユッタヤー郡)は、14世紀から18世紀にかけてアユタヤ王朝の都として栄えた街です。18世紀にビルマ軍によって滅ぼされてしまいましたが、当時の建物などが遺跡として残っており、歴史地区はユネスコの「世界遺産」にも登録されています。しかも、タイの首都バンコクからわずか50キロという至近距離にあるので、多くの観光客が訪れます。

 そのアユタヤの街でたくさんの象が歩いているのを見かけて、驚いたことがあったのです。

 タイには数多くの象が暮らしています。そもそもバンコク・アジア大会のマスコットも象でしたし、有名なチャン・ビールにも象のマークが使われていますよね。そもそも、「チャン」というのは「象」という意味(「象」という漢字の音読み)です。

 もっとも、アユタヤの象は人の手で飼育されている家畜の象です。作業用にも使われますが、アユタヤの象はほとんどが観光用。観光客を背中に乗せて歩いています。

 一方、ヴィクトリア・フォールズの街を歩いている象はほとんどが野生なのです。やはり、あれだけの大きな野生動物が街中を勝手に歩いているのには、驚かされます。

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