
蹴球放浪家・後藤健生は世界中で繰り広げるサッカー取材の道中で、多くの人と出会ってきた。そして、多くの珍獣とも出会ってきた。そのインパクトは世界大会の記憶とともに、蹴球放浪家の脳裏に深く刻まれている。
■ジンバブエでの「一番の驚き」
前々回の「蹴球放浪記」でジンバブエの話をしましたが、ジンバブエで僕が一番ビックリしたのは、お土産用の超高額紙幣ではありませんでした。
南アフリカでのワールドカップが終わってから、僕がジンバブエのヴィクトリア・フォールズの街に着いて最も驚いたのは、街中を数多くの象が闊歩していたことです。
ヴィクトリア・フォールズ市は、世界三大瀑布の一つ「ヴィクトリア滝」の観光拠点で、世界中から観光客が集まってきます(「蹴球放浪記」第13回「滝を見に行く」の巻参照。「三大瀑布」はこのほかアメリカ・カナダ国境の「ナイアガラ」、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ国境の「イグアス」)。
ヴィクトリアの滝の向こう側はザンビアですし、ちょっと遠出をすればボツワナという位置関係にあって、各国には自然公園も点在しており、多くの野生動物を見ることもできます。
それで、街中にも野生の象が現われるのです。ホテルには「庭に野生の象が現われても騒がなければ危険はない」と注意書きがありました。象という動物はあれだけの巨体ですから野生動物の中でもかなり強い動物ですが、草食動物ですからむやみに襲ってくることはないのでしょう。
残念ながら、ホテルの庭には現われませんでしたが、街中には本当に多くの象が歩いていました。