■田中碧、旗手怜央、高井幸大は
となれば、サウジアラビア戦もこれまでの主力の多くを先発させ、そこに数人だけ新たな顔ぶれを組み込む形が濃厚だ。「チームのベースを崩さずに戦う」ことを重視するなら、変えられるのは2~3人。バーレーン戦のスタメンと控え組の顔ぶれを考えると、まず1枠はボランチではないか。
最終予選3ゴールと絶対的主軸を担ってきた守田英正(スポルティング・リスボン)がふくらはぎのケガの影響もあったのか、低調なパフォーマンスで前半のみのプレーにとどまったことを踏まえると、そこが変更可能性の高いところ。バーレーン戦では後半から田中碧(リーズ)が出て、無難な仕事ぶりを見せたが、今回は最終予選1試合のみの出場にとどまっている旗手怜央(セルティック)を推したいところだ。
ご存じの通り、旗手は2022年カタールW杯はギリギリのところで落選したが、第2次森保ジャパン発足後はグループの一員という位置づけだ。特に2024年1~2月のアジアカップ(カタール)では不調の守田に代わってスタメンを勝ち取った時もあり、その時のパフォーマンスは悪くなかった。結局、ケガで最後のイラン戦には出られなかったのだが、遠藤と組んでもそん色ないプレーを見せられることはハッキリしている。
今季所属クラブでの動向を見ても、リーグ7得点と好調で、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でもゴールを奪っている。「W杯と同じインテンシティやプレッシャーのかかる中で日常の戦いをしてくれる選手がより多くなることが代表強化につながる」と森保監督も話していて、CL経験は大きなアドバンテージだ。今回は思い切って起用してみてもいい。
もう1人は右センターバック(CB)の高井幸大(川崎)だろう。バーレーン戦では瀬古歩夢(グラスホッパー)がその位置を担ったが、攻撃の起点となるパス出しは光ったものの、守備面で脆さを露呈する部分もあった。そう考えると、右CBは底上げを図らなければいけない。1月から欧州移籍に踏み切った関根大輝(スタッド・ランス)という案もあるが、前回ベンチ入りしているという点で高井の序列の方が高い。21歳という若さとポテンシャル含め、ここは成長のためにもチャンスを与えてみてはどうだろうか。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)