【川崎の元分析官・二階堂悠氏が語る「柏vsC大阪」(2)】柏が利用した、C大阪のコンパクトさゆえの逆サイド。対角へのボールで体力を徐々に削っての、90分のマネジメントの画像
柏レイソルとセレッソ大阪の試合にはどのような駆け引きがあったのか 撮影:中地拓也

 2024年シーズンまでの8年間にわたって川崎フロンターレで分析コーチを務めた二階堂悠氏。チームの7冠に貢献した二階堂氏は現在、次なる挑戦を前にしているが、フリーの立場で2025年J1リーグ第3節の柏レイソルセレッソ大阪の試合について語った。

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 J1リーグ第3節で、互いに監督交代初年度同士のチームがぶつかった。リカルド・ロドリゲス監督を招聘した柏と、アーサー・パパス監督が率いるC大阪だ。
 セレッソ大阪はラファエル・ハットンやルーカス・フェルナンデス、そして香川真司に替えて、中島元彦柴山昌也喜田陽などを先発起用してこの試合に挑んだ。そして、全体をコンパクトにして戦うことを選択する。
 それを、柏は利用した。
「C大阪は縦も横もかなりコンパクトにしているので、逆サイドのWBがかなり空くことに。そのため、最終ラインから対角に蹴るボールがとても有効で、左CBの杉岡大暉から右WBの久保藤次郎に蹴る、あるいは、2シャドウの一角に入っていた小泉佳穂が右ワイドに開いてそこに蹴るなど、狙いを持ってプレーしていました」
 その結果、C大阪は逆サイドに蹴られるたびに走らされる展開に。「C大阪はサイドを使われても頑張ってスライドしていましたが、繰り返しそれをやられることでボディブローのように効いてきていました。これは、体力的にもメンタル的にもこたえるものがあったと思います」。

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