■得点は柏の狙いが出たもの

 先制したのはC大阪だったが、後半21分に垣田裕暉のゴールで同点に追いつく。その得点は、対角へのロングボールが生きたもの。
 左でパス交換している中で杉岡大暉にボールが渡ると、この左CBは素早く逆サイドへロングボール。そこで受けたのは久保藤次郎。前進すると相手SBが少し喰いつき、木下康介がニアゾーンを取って、最後は垣田が頭で合わせたのだ。
「逆サイドを使って崩すという狙いが出た得点でした」
 2点目も、「ゴール自体は木下康介の素晴らしいものですが、そこまでに柏がC大阪を走らせて、体も頭も疲れさせた前提が大きかったと思います。ボールを持った奥田勇斗が内に内にと入っているうちに、囲まれていました。奥田だけでなく、C大阪は後半途中からガクンと落ちていましたから、柏が90分を通してマネジメントをした結果と言えると思います」。
 柏がしっかりと戦い方を共有していたと言えるが、C大阪にも勝つチャンスはあったという――。
(語り:二階堂悠)
(「その3」へ続く)

【にかいどう・ゆう】
1984年5月17日生まれ。宮城県出身。筑波大学大学院卒業後にメキシコ留学を経て、杭州緑城(中国)のコーチに就任。2014年からモンテディオ山形のコーチ、2017年から川崎フロンターレのコーチを務めた。川崎ではクラブの国内7冠達成に寄与し、24年シーズンを持って同職を退任した。

(3)へ続く
  1. 1
  2. 2