■PK獲得も狙いのある攻撃が奏功

「神戸が守備の準備をできていないうちに、という狙いがあったと思います」
 二階堂氏がこう説明するように、神戸は扇原貴宏と鍬先祐弥がセットして固い守備を構築する前に攻撃を仕掛けていた。クロス攻撃では、FWだけでなく逆サイドから入る形も見えていたという。
 そうした早い攻撃の狙いが86分のPK獲得にもつながっている。1-2で迎えた終盤のこの時間、神戸が左サイドからコンビネーションを使って攻め込んだ。そのクロスが浮いたところを、GK武田洋平がキャッチ。ゴール前に両チームの人数が集まっている中で、素早く左サイドのマテウスに投げて攻撃を開始させる。
 81分に途中出場したばかりのマテウスは、自陣からドリブルを開始。相手選手を一人交わして前進すると、相手陣内の左サイドの中盤くらいの時点で素早くクロスを入れる。神戸の最終ラインは準備ができていなかったことで、逆サイドから詰めていた浅野雄也がボールを回収。ペナルティエリア内で仕掛けた浅野を、相手DFが倒してしまった。
 このPKを稲垣祥が決めて2-2の振り出しとし、チームは連敗を回避している。

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