森保一監督が興味を示していた選手

 同じ名古屋の大卒新人・倍井謙もシーズン序盤は「攻撃陣の中核になるのではないか」と期待されたが、徐々に出番が減少。終盤は活躍の場があまり与えられなかった。2月23日の鹿島アントラーズとの開幕戦を視察した森保一監督が興味を示していた選手だっただけに、尻すぼみのような軌跡は残念だった。彼もいかにして得点力をアップさせていくのかが大きな課題と言えるだろう。
 最後に今季低迷した浦和レッズにも目を向けたい。そこで気になったのが、長沼洋一だ。サガン鳥栖から夏に移籍し、チーム活性化の起爆剤になると目されたが、出番自体が少ないままだった。マチェイ・スコルジャ監督は主に左サイドバックで起用していたが、来季は荻原拓也(ディナモ・ザグレブ)の復帰が濃厚。大畑歩夢も残留することになれば、そのポジションでも出られるかどうか分からないのだ。
 彼はもっと前目の方が推進力や打開力を発揮できそうだが、前線にも原口元気関根貴大松尾佑介らがいる。愛媛FCや鳥栖で実績を残してきた人材だけにもっと有効活用できるはずだが、果たして来季はどうなるのか。浦和の動向も踏まえつつ、注視していきたいものである。
(取材・文/元川悦子)

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