2024年シーズンはヴィッセル神戸のJ1・2連覇・天皇杯との2冠で幕を閉じたが、2025年も彼らがリーグ全体をリードする構図が有力視される。今季までキャプテンを務めた山口蛍が来季からJ2のV・ファーレン長崎へ電撃移籍するというショッキングな出来事に見舞われたが、流出の噂のあった武藤嘉紀は残留。分厚い選手層は維持できそうな見通しが立ったと言っていい。
ただ、その弊害もないとは言えない。GK新井章太や汰木康也らは出番が少なく、持てる才能を発揮できていない状況にあるのだ。
新井はご存じの通り、東京ヴェルディ、川崎フロンターレ、ジェフ千葉で長いキャリアを誇るベテラン守護神。川崎時代には2019年YBCルヴァンカップ制覇の立役者となり、千葉時代も絶対的GKに君臨。2024年に満を持して神戸に赴いた。が、このクラブには日本代表候補の前川黛也がいて、横浜F・マリノス時代にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)経験のあるオビ・パウエル・オビンナも出られないほどだ。新井も結局、今季リーグ2試合に出ただけ。前川不在時にはピッチに立ったものの、このままの状態はあまりにももったいないというしかない。