■攻撃的なタレントを生かすために

 そしてパリ五輪代表組の高井幸大(川崎フロンターレ)や菅原由勢サウサンプトン)と同じく、サイドとのポリバレントである関根大輝(柏レイソル)が3バックの競争に、それだけ食い込んでこられるかもディフェンスラインの底上げという意味で重要なテーマになる。もちろんドイツ1部やチャンピオンズリーグで存在感を見せるチェイス・アンリ(シュトゥットガルト)など、現時点では招集メンバーに入っていない国内外の実力者もおり、冨安や伊藤と同じく、中山雄太(FC町田ゼルビア)もコンディションが戻れば、再び有力候補になりうる。
 まずは来年3月のシリーズで、最終予選の突破を決めることが最優先のテーマとなるが、世界一を目標に掲げる”森保ジャパン”にとって、攻撃的なタレントを生かすためにも、3バックのさらなる強化が重要になることは間違いない。GKに関しては鈴木彩艶(パルマ)が失点につながるミスなどから厳しい批判を浴びたアジアカップ以降、大きな成長を見せて守護神の地位を確立しつつあるが、継続的に選ばれている大迫敬介サンフレッチェ広島)や谷晃生(FC町田ゼルビア)も、サブの立場に甘んじるつもりはないだろう。
 ここからJリーグは短いオフから来シーズンに向けたキャンプに入っていくが、来年3月までにも森保監督を良い意味で悩ませるような選手が、守備的なポジションからも台頭してくることを期待したい。
(取材・文/河治良幸)
(後編へ続く)

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