■冨安健洋&伊藤洋輝の復帰後は
ビルドアップに対しては相手の立ち位置を見ながら、高い位置では4ー4ー2でプレッシャーをかけて、相手のリスタートや自陣に引いて構える時は5ー4ー1のブロックを敷くなど、状況や時間帯に応じた守備のオーガナイズを構築しており、特に後ろの選手には個人で守り切れる守備能力と周囲との連携の両方が高いレベルで求められる。森保監督が、このスタイルに踏み切れたのも、セレクトしたディフェンスの選手たちに対する信頼があるからだろう。
最終予選の6試合で、冨安健洋(アーセナル)と伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン)を怪我で一度も招集できなかった。守備の構築において、彼らの不在は痛手になるかと思われたが、最終予選のスタートとなった9月シリーズの中国戦とバーレーン戦、そしてサウジアラビア、オーストラリアという強豪国との連戦だった10月シリーズは右の板倉滉(ボルシアMG)、中央の谷口彰悟(シント=トロイデン)、左の町田浩樹(サンジロワーズ)を固定的に起用した。この4試合で喫した失点は1で、しかも、オーストラリア戦での谷口のオウンゴールだった。
その谷口をアキレス腱の怪我で欠いた11月シリーズでは、板倉が中央には入り、右ワイドをインドネシア戦で橋岡大樹(ルートン・タウン)、中国戦は瀬古歩夢(グラスホッパー)が起用されて、アウェーの2試合で1失点とまずまずの結果を出した。
ただ、ところどころ 危ないシーンがあり、橋岡や瀬古の個人としての課題だけでなく、代表の限られた時間で連携面を高めていくことは簡単ではない。谷口に関しては予選突破がかかる来年3月の招集も難しいと見られるが、本来の主力候補である冨安や伊藤が回復してくるかどうかは注目だ。