■山形、岡山、仙台に差を付けた3チーム

 その一方で、失点数は清水より1つ多い「39」と特別多いわけではない。後半戦では夏からスタメンに定着したGK若原智哉を後支えとして、21歳の田中隼人や長期の怪我から復帰したヴァウドの奮闘も目立った。そもそも清水、横浜FC、長崎による”三つ巴”の戦いがハイペース、かつハイレベルだったのは4位のモンテディオ山形と勝点9、プレーオフで昇格を果たしたファジアーノ岡山とは勝点10、J1昇格プレーオフに滑り込んだベガルタ仙台とは勝点11差を付けていることからも明らかだ。それだけに、森山佳郎監督が率いる仙台の徹底したカウンターを前になすすべなくやられたプレーオフの戦いは悔やまれるが、内容的にも敗戦は否めなかった。
 来シーズンは長崎にとって改めて、新スタジアムで開幕を迎えることとなるが、仙台はもちろん惜しくもプレーオフ決勝で敗れた山形、そしてJ1の最終節で降格が決まったジュビロ磐田、元鹿島の岩政大樹監督が就任した北海道コンサドーレ札幌、J2からのリスタートとなるサガン鳥栖なども、強力なライバルになってくる。
 自動昇格、そしてプレーオフの出場権が与えられる6位以内を巡って、さらに激しい戦いが予想される2025年のJ2で昇格を勝ち取るのはどのチームか。その後は秋春制への移行期ともなるだけに、群雄割拠の戦いから目が離せない。
(取材・文/河治良幸)

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