【昇格を分けたものとは……24年シーズンのJ2を振り返る(2)】横浜FCと対照的な快進撃を見せた長崎も昇格できず……山形、岡山、仙台に差を付けたハイレベルな“三つ巴”の画像
モンテディオ山形の土居聖真、V・ファーレン長崎のマテウス・ジェズス、横浜FCのガブリエウ、ファジアーノ岡山の田部井涼、ベガルタ仙台の郷家友太 撮影:中地拓也
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 清水エスパルスが途中、苦しみながらも安定した戦いぶりで自動昇格を果たしたが、2位の横浜FCは一時、清水と優勝争いを演じながら、終盤に大きく失速して、3位のV・ファーレン長崎にギリギリまで迫られた。最後はアウェーで、難敵のレノファ山口との戦いをスコアレスドローで乗り切る形で昇格を決めたが、そのギリギリを戦い抜けたことも立派なチーム力だ。

 就任3年目の四方田修平監督はコレクティブな組織をベースに、3ー4ー2ー1というシステムの中で、バランスとスペシャリティをうまく配分しながら、強固な守備と迫力ある攻撃を組み合わせた。
 特に攻撃面では札幌から加入した福森晃斗が、良質な左足のキックを生かした展開力とセットプレーを武器に、シーズン14アシストを記録。前線では浦和から期限付き移籍で加入の髙橋利樹が精力的な守備とポストワークで攻撃の厚みを引き出した。ストライカーとしては4得点という数字は寂しいが、四方田監督がスタメンで起用し続けたことが、戦術的に外せない存在だった証拠だ。
 無論、横浜FCの強みは豊富で多彩な攻撃陣にある。190cm94kgという圧巻の体躯を誇る櫻川ソロモンをはじめ、10番を背負うテクニシャンのカプリーニ、経験豊富な伊藤翔、夏加入のジョアン・パウロなど、前線の選択肢が多く、5枚交代という現行ルールを最大限に生かした終盤の得点力は横浜FCが勝点3を取っていく原動力だった。
 いかにも横浜FCらしい戦いを象徴するのが、2−0で勝利したホームの清水戦だ。前半の早い時間帯に、ショートコーナーから福森が上げたクロスをファーサイドでガブリエウが合わせるという形でリードを奪うと、清水の攻撃を5バックで受け止めながら、鋭いカウンターを繰り出す。最後は櫻川のヘディングがブロックされたこぼれ球を伊藤が押し込んだ。

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