■横浜FCとは対照的だった長崎

 非常に手堅いスタイルではあるが、新守護神として君臨した市川暉記、キャプテンのガブリエウを中心に守備を固めて相手のストロングを出させず、攻撃ではカウンターとポゼッションからのクロスボールをうまく組み合わせて、効率よく仕留める。そうした戦いが安定してできていたからこそ、シーズン中に20戦無敗を記録するなど、清水と熾烈な首位争いを演じるまで行けたのだ。
 しかし、終盤戦は深刻な得点力不足もあり、ラスト7試合で、鹿児島ユナイテッドに1−0と勝利したのみで、ベガルタ仙台ファジアーノ岡山に連敗を喫するなど、長崎の猛追を許す結果に。それでも守備が大きく崩れることはなく、1年でJ1復帰を果たす支えとなった。
 その横浜FCを最後まで追い詰めた長崎は対照的に、ラスト10試合で7勝2分1敗と、まさしく快進撃だった。それだけに、シーズンを通して見ると、7月から9月にかけて、7試合で未勝利という失速を経験したことが響いた。74得点は清水や横浜を大きく上回る数字であり、18得点と第ブレイクしたマテウス・ジェズスを筆頭に、15得点のエジガル・ジュニオ、12得点のマルコス・ギジェルメ、10得点のフアンマ・デルガドと、4人の選手が二桁得点を記録したのは異例だ。

PHOTO GALLERY 全ての写真を見る
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4