■山田を動かす2つの刺激
得点王を狙ううえで、刺激になるものが2つある。一つは、ヴィッセル神戸に所属する昨季までのチームメイト、宮代大聖だ。下部組織時代から一緒にプレーしてきた宮代とは、「本当にいい選手。昔からリスペクトしてますし、今の活躍も刺激になりますし、お互いに刺激を与えるいい関係だと思います」とその深い関係性を説明する。
実際、宮代が更新したインスタグラムを見た2か月前、すぐに電話を手にしている。それは宮代がサウナに行った写真を投稿したものだったが、そうした話題で連絡を取るほどに仲が良いのだ。
もう一つの刺激は、恩師・鬼木達監督のラストマッチである。今季限りでの退任が発表されている指揮官への思いを聞けば、「みんな話したりはしないですけど、絶対に勝って送り出したいっていう思いを一人一人が強く抱えている中で、みんな同じ方向を向いている。自分もそうですし、本当にここまで育ててくれた人なので、自分が成長した姿を見せて笑顔で終わらせられればいい」と気持ちを明かす。
「ストライカーはいろんなプレッシャーがある中で生きていかないといけないから。そういう意味でも言ってるから」
これは、鬼木監督に言われた言葉で強く残っているものだ。今季の鹿島アントラーズ戦後に得点機会を逸したことでプレッシャーは強まったが、その中で生きるのがストライカーであると鬼木監督は諭したという。
「お前が決めないとダメだぞみたいな、すごい言われて。ありがたく感じました」
心に残る言葉が、闘志を燃やした。