■横浜FCの無敗記録を止めて6位キープ

 後半のスタートから、横浜FCが圧力を高めてくる。それも、仙台にとっては想定内だ。交代カードを次々に切ってくる相手にやや押し込まれるが、カウンターを繰り出して相手ゴールへ迫る。

 86分、途中出場の右MFオナイウ情滋が右タッチライン際でパスを受けると、内側のレーンへ走り込んだ右SB真瀬拓海がマイナスのクロスを送る。

 これに反応したのは工藤だ。MF松井蓮之の出場停止で7月以来の先発となった背番号17が、自身Jリーグ初ゴールとなるチームの3点目を右足で叩き込んだのだった。

 仙台はこのまま試合終了の笛を聞く。リーグ最少失点を誇る横浜FCから、今シーズン2度目の3得点を記録したのだった。横浜FCの1試合3失点はシーズン初で、彼らの不敗記録を「20」で止めた勝利でもある。

 今節を終えたJ1昇格プレーオフ圏の順位は、3位が勝点66のV・ファーレン長崎で、4位のジェフユナイテッド千葉、5位のファジアーノ岡山、6位の仙台は勝点58だ。7位のモンテディオ山形は勝点57である。山形は首位の清水からアウェイで逆転勝利を飾り、6連勝を達成している。

 残り3試合で、長崎は千葉、千葉は長崎と山形との直接対決を残す。岡山は次節のアウェイゲームで、首位の横浜FCと対戦する。

 仙台は上位チームとの直接対決を残していない。愛媛FC、ロアッソ熊本、大分トリニータとの対戦だ。アウェイ連戦となる愛媛戦と熊本戦で確実に勝点3を積み上げ、最終節のホームゲームへつなげるというのが、彼らに求められるシナリオだ。負けられない戦いが、最終節まで続く。

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