■全員で考えるべきリーダーシップ
今回は冨安も不在で、ボランチとして圧倒的存在感を示した守田がキャプテンマークを巻いたわけだが、パフォーマンス的には文句なしでも、全員に背中を見せるといった部分ではまだ物足りなさも垣間見せたのは事実。キャプテン候補者としては堂安律(フライブルク)や谷口彰悟(シントトロイデン)、板倉滉(ボルシアMG)らもいるが、今のところは遠藤が適任。つねに自信を失うことなく、堂々たる立ち振る舞いのできるところを、他の選手たちも学ぶべきだろう。
今後も遠藤が負傷などに見舞われないとも限らないし、出場停止になることもある。思い返してみれば、カタールW杯直前も当時所属していたシュツットガルトの試合で脳震盪を起こし、本大会参戦が微妙になったこともあった。その時は奇跡的な回復を遂げ、何とか大舞台に立つことができたが、2年後のW杯をトップコンディションで迎えられる保証はない。だからこそ、遠藤不在の今回を機に、リーダーシップや統率力に着いて全員が改めて真剣に考えるべき。そのいいチャンスにしてほしいものである。
11月シリーズになれば、遠藤は戻ってくるだろうが、守田も堂安も他の選手もキャプテンをしのぐような統率力や牽引力を持ち合わせていてほしい。「1人1人が引っ張る」ことの重要性をピッチで示せる集団になってくれることを強く願いたい。
(取材・文/元川悦子)