■ブレなかった遠藤航

 その後、日本はドイツ、トルコ、チュニジアといった強豪国を次々と撃破。今年1~2月のアジアカップ(カタール)はイラク・イランに敗れて8強止まりと低調な戦いに終始したものの、遠藤は決してブレなかった。
「優勝できるだけの力はなかったわけではないですけど、こういう大会は勝つのは難しいんですよね。日本だろうが、ドイツだろうが、ブラジルだろうが、何かの大会で優勝することは簡単ではない。それを思い知らされた。でも自分たちが力がないのかと言われたら、そうではないと思う。間違いなく、日本の選手たちの個の能力も含めて、いいチームにはなってきていると思うので。あとはやり続けて、結果を残すしかない」と本人は強気の姿勢を貫いたのだ。
 同じタイミングで冨安健洋アーセナル)が「熱量が足りなかった」と言い、守田英正スポルティング)も「いろいろ考えすぎて頭がパンクした」と迷い苦しんでいる様子を露にする中、遠藤はつねに同じスタンスで揺らがないところを見せつけた。その姿勢には賛否両論があったのは事実だが、つねにどっしりと構えているチームの要がいれば、何らかの壁にぶつかったり、アクシデントが起きても拠り所がある状態を保てる。それはやはり大きな意味があるだろう。

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