伊東純也は「戦略的に痛い」

 当然、練習後のミックスゾーンでも、選手には遠藤航不在についての質問が投げられた。右ウイングバックとしてここまで存在感を見せている伊東純也は、「キャプテンなので、明日どうなるか分かんないですけど、いないのはやっぱ少し戦略的に痛いかなと思います」と話し、チームに影響があることを認める。
 遠藤と伊東の誕生日は1か月違い。前者が1993年2月で、伊東は同年3月という近さである。ともに31歳とベテランの域に入っているだけに、キャプテンマークを巻くこともあるのか尋ねられると、「俺がですか? それはないっすね(笑)」と否定している。
 サウジアラビア戦で先発し、決勝点にして先制点を決めた鎌田大地は「航君レベルの選手がいなくなるというのは、もちろんチームとしては、痛い部分ではあると思います」と話したうえで、「けど」とつなぎ、「他にも良い選手はいっぱいいる。そういう部分で、チャンスを待っていた選手もたくさんいると思うので。ネガティブなところだけではなくて、そういうのを、みんなでポジティブに変えられるようにやっていけることが大事」と視線を前に向ける。
 鎌田がそう話すように、大事なのはその代わりに入る選手がいいパフォーマンスを見せられるかどうか。今回、その重責を担うのは、田中碧になりそうだ――。
(取材・文/中地拓也)
(後編へ続く)

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