■5大リーグを上回る「大成功」の弊害

 メキシコのトップリーグ「リーガMX」は世界でも成功しているリーグのひとつで、平均観客は2万4031人。「5大リーグ」のひとつフランスの「リーグアン」を上回っている。レベルも高く、待遇もいいため、選手たちは欧州のトップリーグに出ていくというリスクを冒すより、国内でプレーすることを望む傾向がある。その結果、代表選手の70%が国内リーグ所属ということになるのだ。

 2022年ワールドカップのベスト8(アルゼンチン、フランス、クロアチア、モロッコ、ブラジル、オランダ、イングランド、ポルトガル)の全208選手の所属クラブを見ると、いわゆる欧州の「ビッグ5(イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランス)」でプレーしている選手の割合は76%にもなる。

 リーグの「格」がそのまま成績につながるわけではない。ドイツは全26選手が「5大リーグ」所属だったが、あえなくグループステージで敗退している。しかし、この「5大リーグ」がビジネス規模として他のリーグを圧倒し、その結果として世界の好選手の多くが集まっていることを考えれば、「76%」という数字の重みがわかるはずだ。ちなみに、2022年大会の時点での日本の「5大リーグ率」はちょうど50%の13人だった。

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