パリ五輪のJ1中断期間明け以降、サガン鳥栖に勝ち、ジュビロ磐田に負け、浦和レッズに引き分けと、リーグ戦で停滞中の鹿島アントラーズ。8月21日の天皇杯では2大会連続で下剋上を食らったヴァンフォーレ甲府を2-1でねじ伏せ、チーム全体に勢いがついた状態で25日のJ1・東京ヴェルディ戦に向かえたはずだった。
しかしながら、主力固定傾向の強い彼らは連戦が続くとパフォーマンスが低下しがちだ。今回もそうで、5バックで強固な守備ブロックを形成してきた相手に苦戦。前半は0-0で折り返したものの、後半18分と30分にスピードと打開力に秀でる山見大登に2点を決められ、1-2で敗れるという想定外の展開を余儀なくされたのだ。
1失点目は綱島悠斗の大胆なドリブルでの持ち上がり、関川郁万と安西幸輝の間に巧みに侵入した山見のポジショニングのうまさが組み合わって生まれたゴール。相手側を褒めるべき一撃だったが、問題は2失点目だ。
飲水タイム直後で相手GKマテウスのロングキックから試合が再開。植田直通が競り、キープしようとした柴崎岳の背後から齋藤功佑が飛び出してきてボールを奪取。そのままフィニッシュに持ち込み、早川友基が左手で弾いたところを山見に詰めるという形だった。
「自分たちはそうしようと思ってやったわけじゃないけど、結果、そうなってしまった」と柴崎は反省。濃野も「明らかに足が重かったし、反応は相手の方が上回っていた」とチーム全体が疲労困憊だったことを認めていた。数々のタイトルを手にしてきた常勝軍団はこういうスキを突いて勝利をモノにしてきたチーム。その強みを取り戻さない限り、リーグ制覇は難しいと言わざるを得ない。