■濃野公人「特に5バックの相手には」
加えて言うと、今の鹿島は引いて構えて来る相手を攻略しきれていない。それは同じ5バックで対峙してきた甲府戦でも見て取れる課題だった。
「甲府の時も今日も、構えてくる相手、特に5バックの相手には結構手こずってる印象がありますね。ショートカウンターを食らう回数も結構多かったし、自分たちが攻撃でポジションを崩していっている中で、スキを突かれた部分もあったと思います。
その形で功を奏して連勝していた時期もあったので、全てが悪いかって言うと、そうじゃないとは思いますけど、攻めてる時のリスク管理とか攻め込んだ時の終わり方は改善の必要がありますね」
今季前半の重要な得点源になっていた濃野もこう話して表情を曇らせたが、彼や安西幸輝が上がった背後を狙われるシーンは夏場以降、明確に増えている。彼らが上がるパターンを計算して複数マークをつけてきたり、エース・鈴木優磨をフリーにさせないように中央の守りを厚くするという対策を講じてくる相手も多くなった印象だ。
そこでチャヴリッチがいれば、後半から攻撃のギアアップ、決定力引き上げが可能なのだが、彼の復帰は9月下旬になるという。その間に新戦力の田川亨介やターレス・ブレーネルがフィットしてくれればいいが、そうしない限り、攻撃の手詰まり感はなかなか打開できそうにないのが現状だ。