■A代表への名乗りを上げられるか
大岩監督は具体的に後藤と佐藤の名前を挙げたが”ロス五輪世代”にも多くの有望なタレントがいる。筆者の個人的な期待度で数人あげるなら、佐藤と同じく昨年U-17W杯に出場したMF中島洋太朗は抜群の攻撃センスを備えた中盤のタレントだ。また来年のU-20W杯では”飛び級”になる2007年生まれのMF濱崎健斗(ヴィッセル神戸)は国際親善試合のスタッド・ランス戦でインパクトを放つなど、注目していきたい選手だ。
前線に目を向ければ、後藤のライバルにもなりうる大型FWの徳田誉(鹿島アントラーズ)や熊本からベルギーに渡った道脇豊(ベフェレン)など、これまで日本代表のストロングではなかったハイスケールなFWがひしめいている。後ろのポジションでは昨年のU-20代表メンバーで、バルセロナから日本に”逆輸入”されてきた左サイドバックの髙橋仁胡(セレッソ大阪)も、今後の活躍次第で大きく飛躍しうる。右サイドバックの本間ジャスティン(ヴィッセル神戸)やセンターバックの市原吏音(大宮アルディージャ)など、伸びしろの期待できる選手たちもいる。
彼らのみならず”ロス五輪世代”の選手たちが成長角度を上げて、A代表の候補にどんどん名乗りを上げる流れを起こせるか。もちろん今回のパリ五輪を経験したメンバー、最終的に外れた”パリ五輪世代”の選手たちが一人でも多く、A代表に入っていくことを期待しているが、その”パリ五輪世代”を超えていくような”ロス五輪世代”のブレイクにも期待したい。
(取材・文/河治良幸)